私たちヒトの体を構成するたんぱく質は20種類のアミノ酸から構成されています。
「たった20種類!?」
と驚く方もいるかもしれません。
ただ、20種類といっても様々な組み合わせが存在しますので、多種多様なたんぱく質になることができるのです。
今回の授業では、この20種類のアミノ酸についてまとめてきいきます。
必須アミノ酸と非必須アミノ酸
体たんぱく質を構成している20種類のアミノ酸は、必須アミノ酸というグループと非必須アミノ酸というグループに分けることができます。
必須アミノ酸(不可欠アミノ酸)は9種類
必須アミノ酸は、私たちの体内で生合成できないアミノ酸です。体内で生合成できないということは、食品から摂取しなければならないアミノ酸ともいえます。
具体的には、
- メチオニン
- トリプトファン
- ロイシン
- バリン
- スレオニン
- フェニルアラニン
- リジン
- イソロイシン
- ヒスチジン
の9種類があります。私は各アミノ酸の頭文字をとって『メトロバス、フリイのヒ』と覚えています。
どれも大切なアミノ酸ではありますが、目にする機会が多いものとしては、バリン、ロイシン、イソロイシンが有名ではないでしょうか。
バリン、ロイシン、イソロイシンは分枝アミノ酸(BCAA)と呼ばれるグループで、筋肉で代謝されるアミノ酸です。スポーツやトレーニングをしている方々が摂取するプロテインには、この分枝アミノ酸が多く含まれています。
非必須アミノ酸(可欠アミノ酸)は11種類
非必須アミノ酸は、私たちの体内で生合成できるアミノ酸です。
具体的には、
- アスパラギン
- アスパラギン酸
- グルタミン
- グルタミン酸
- アラニン
- チロシン
- グリシン
- プロリン
- セリン
- アルギニン
- システイン
の11種類があります。体内で生合成できるアミノ酸ではありますが、いろいろな臓器や組織で代謝されるので、食事からも摂取はしておきたいですね。
例えばアルギニンは、組織の再生などを促進する働きがあるので、褥瘡の治療などに活用されています。
アミノ酸の授業まとめ
以上、必須アミノ酸と非必須アミノ酸のお話でした。
- 体タンパク質は20種類のアミノ酸から構成
- 必須アミノ酸は生合成できないので、食品から摂取する必要がある
この2点を覚えておきましょう。
<参考文献>
・基礎栄養学(改訂第5版),南江堂,2015.