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2020年5月20日、無印良品のネットストアにて『コオロギせんべい』の販売が開始されました。
いわゆる昆虫食と呼ばれるものですね。
来る食糧難の時代に備え期待される昆虫食ですが、少なくとも日本ではまだまだ普及していません。
そんななか、あの『無印良品』からの販売となりますので、売れ行き次第ではさらなる昆虫食の展開が期待できるかもしれないですね。
『コオロギせんべい』の概要については公式サイト(無印良品)におまかせするとして、本記事では『コオロギせんべい』の栄養価と味の感想について述べていきたいと思います。
コオロギせんべいの栄養成分(栄養価)
栄養価の高さがアピールされがちな昆虫食、この『コオロギせんべい』はどうなのでしょうか。
(公式サイトには、家畜と比較した場合のコオロギパウダー100g当たりのたんぱく質量が記載されていますが、粉末との比較はフェアではないですよね…)
『コオロギせんべい』の栄養成分表示(1袋55g当たり)を見ると、以下のようになっています。
- エネルギー:213kcal
- たんぱく質:4.6g
- 脂質:1.5g
- 炭水化物:45.4g
- 食塩相当量:2.1g
比較対象として適切かはわかりませんが『無選別 えびせんべい(無印良品)』の栄養成分表示(1袋200g当たり)は、以下のようになっています。
- エネルギー:780kcal
- たんぱく質:1.6g
- 脂質:0.8g
- 炭水化物:191.8g
- 食塩相当量:5.6g
比較しやすいように100g当たりに換算してみると以下のようになります。
※( )内は『無選別 えびせんべい』の数値
- エネルギー:387kcal(360kcal)
- たんぱく質:8.4g(0.8g)
- 脂質:2.7g(0.4g)
- 炭水化物:82.5g(95.9g)
- 食塩相当量:3.8g(2.8g)
見比べてみると、やはり『コオロギせんべい』の方がたんぱく質や脂質を多く含んでいることがわかりますね。
ただ普通にせんべいとして、嗜好品としての常用摂取量を考えると、『たんぱく質の摂取源』みたいな謳い文句は適切ではないのかなと思います。
あと食塩相当量が比較的高いです。後述しますが、味に影響を与えるくらいの塩加減です。
なお、食品成分表に収載されている各種せんべいと比較しても100g当たりの食塩相当量は多いようです。
【重要】甲殻類アレルギーの方は注意
食用コオロギパウダーは、えびやカニなどの甲殻類と類似した成分が含まれています。えびやカニのアレルギーをお持ちの方はお控えください。
上記のように公式サイトにも明記されていますが、原材料であるコオロギパウダーには甲殻類と類似した成分が含まれていますので、甲殻類アレルギーの方は摂取しない方がよいといえます。注意しておきましょう。
味と外観の感想
さて、やはり気になるのは味だと思うのですが、実際に食べてみました。
端的にまとめると、
- しょっぱい(塩辛い)
- エビせんべいっぽいが、旨味が少ない
- ほんの少しだけ、後味が苦い?
- 食べられるが、特別おいしいわけではない
という感想でした。
食塩相当量が多いことからもしょっぱいことは予想していましたが、旨味が少ないのが残念でした。
ツカサ
ちなみに外観としては、コオロギパウダーとみられる黒い粉末が確認できます。
私は気になりませんが、気になる人は気になるかもしれないですね。
昆虫食と管理栄養士
現状として、恐らく『昆虫を食べる』という行為に対して嫌悪感を抱く人は少なくないと思うので、すぐに普及することはないかもしれません。
ただ、この『コオロギせんべい』のように粉末にした状態であれば、抵抗感なく食べられる人も多いんじゃないかと思いますし、他の食品や料理への使用も十分視野に入ってくるのではないでしょうか。
近い将来、食品成分表にも『昆虫類』のカテゴリーが追加される日が来るかもしれませんし、特定原材料として『昆虫』が追加されるかもしれません。
そして、もしかしたら「昆虫食しか食べない」という主義(昆虫食主義者?)の方が現れるかもしれません。
そのときには、私たち栄養士・管理栄養士の知識もアップデートしていかなければならないのでしょう。