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グルコースからATPを作るための代謝経路である解糖系について解説します。
STEP1
解糖系
細胞質ゾルでの代謝
STEP2
クエン酸回路(TCA回路)
ミトコンドリアのマトリックスでの代謝
STEP3
電子伝達系
ミトコンドリア内膜での代謝
のSTEP1のお話になります。
解糖系は、細胞質ゾルで嫌気的に進行する代謝経路で、グルコースからピルビン酸または乳酸が生成します。
細胞質ゾルに存在する代謝経路
解糖系は細胞内の細胞質ゾルで起こる化学反応です。
グルコースからピルビン酸、乳酸を生成する代謝経路
解糖系のスタートは、細胞内に入ってきたグルコースです。
グルコースを起点として、
STEP1
グルコースがグルコース-6-リン酸に変化
酵素ヘキソキナーゼの作用で、グルコースの6位にリン酸が結合しグルコース-6-リン酸が生成。
STEP2
グルコース-6-リン酸がピルビン酸に変化
いろいろな酵素の作用で、グルコース-6-リン酸が異化(分解)されてピルビン酸が生成。この過程でATPが生成。
STEP3
ピルビン酸が乳酸に変化
(嫌気的条件下であれば)乳酸脱水素酵素の作用で、ピルビン酸から乳酸が生成。
このような流れで解糖系は進行します。
補足説明
肝臓の場合、ヘキソキナーゼではなくグルコキナーゼとして存在する
STEP3は細胞内に酸素が無い場合(嫌気的条件下)のみ起こる反応です。具体的には無酸素運動などをしているときですね。
酸素がある場合(好気的条件下)は、STEP2のピルビン酸が生成するところで解糖系の反応はストップします(ただしクエン酸回路につながる)。
関連記事>>クエン酸回路の場所と代謝のポイントをわかりやすく解説
解糖系は嫌気的に進行する
解糖系は、細胞内に酸素があっても(好気的条件下でも)、酸素が無くても(嫌気的条件下でも)進行します。
ただし、どちらの条件下でも酸素を使わずに進んでいくので、一般的に『解糖系は嫌気的に進行する』と表現します。
生成するATPは2分子
この解糖系で獲得できるATPは2分子です。
補足説明
実際は4分子生成している。ただし、解糖系の進行過程で2分子消費されるため、4ATP-2ATP=2分子生成となる。
解糖系の授業まとめ
以上、解糖系の授業でした。
- 解糖系は細胞質ゾルで起こる
- 嫌気的条件下で乳酸、好気的条件下でピルビン酸が生成
- 解糖系の進行に酸素は不要(嫌気的に進行)
- 解糖系では2分子のATPが生成
この4点を理解しておいてください。
[say”]解糖系の次はクエン酸回路を勉強しましょう![/say]<参考文献>
・基礎栄養学(改訂第5版),南江堂,2015.
・三訂 基礎栄養学(Nブックス),建帛社,2015.
・人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 総論(改訂第2版),南江堂,2013.