管理栄養士になるためには、国家試験に合格しなければいけません。
“国家試験”というくらいですから「難しそう…」という感じる方も多いかもしれません。
では、管理栄養士国家試験の問題数や合格点、出題科目などは、どのようになっているのでしょうか。
厚生労働省が発表している最新ガイドライン(出題基準)をもとに、解説していきたいと思います。
問題数は200問。合格点は120点
管理栄養士国家試験の合格基準は120点/200問です。
絶対評価の試験のため、試験の難易度や平均点、合格率に関わらず、120点以上の点数を取ることができれば合格となります。
60%の得点率で合格できるため、しっかり勉強時間を確保し、適切な方法で勉強できれば、合格することは決して難しくないと私は思います。
ただし、栄養学や食品学に関する内容だけ勉強すればいいわけではありません。生化学や解剖生理学、病理学、疫学、統計学、法律、制度など、出題範囲はかなり広いため、いろんな科目を複合的に勉強していかなければいけません。
そういう意味では苦手科目が多い人は、苦労するかもしれません。
出題範囲は9科目+応用力試験で構成【第30回~第33回国家試験】
出題範囲は以下のようになっています。
- 社会・環境と健康:17問
- 人体の構造と機能及び疾病の成り立ち:27問
- 食べ物と健康:25問
- 基礎栄養学:14問
- 応用栄養学:16問
- 栄養教育論:15問
- 臨床栄養学:28問
- 公衆栄養学:18問
- 給食経営管理論:20問
- 応用力試験:20問
の合計200問で構成されています。
※第30回~第33回管理栄養士国家試験における構成です
第34回~第37回の構成はこちらの記事『管理栄養士国家試験ガイドラインの改定まとめ』で解説しています。
試験では“1.社会~5.応用栄養”が午前中の試験、“6.栄養教育~10.応用力”が午後の試験として出題されます。
参考 管理栄養士国家試験出題基準(ガイドライン)厚生労働省ちなみに応用力試験だけは他の科目と毛色が異なり、9科目の内容を複合・発展させた問題が出題されます。
マークシート形式の試験です
管理栄養士国家試験はマークシート形式の試験です。
出題パターンは、
- 五肢択一(正しい or 誤りの択を1つ選ぶ)
- 五肢択二(正しい択を2つ選ぶ)
- 四肢択一(最も適切な択を1つ選ぶ)
となっています。
“四肢択一(最も適切な択を1つ選ぶ)”は、2016年の国家試験から出題されるようになった新しいタイプの問題です。
単に正しい/誤りを見つけるのではなく、選択肢の中からベストなものを選ばないといけないので、読解力や思考力が問われます。
単純な暗記力だけでは合格することが難しい試験に変化してきたといえるのです。
必要な勉強時間は1年間
合格点に到達するために必要な勉強期間は、1年間程度だと思います。
試験は毎年3月上旬に実施されるので、前年の4月くらいから勉強を開始することをおすすめします。記念受験で合格できるほど甘くはありません。
また、過去問だけ勉強していれば合格できるわけではありません。
まずは教科書や参考書で各科目の基礎知識を勉強しましょう。過去問演習をするのは、その後です。
1日の勉強時間は1~2時間程度確保できれば十分じゃないでしょうか(甘いかな?)。でも、毎日継続して勉強できるなら、1日の勉強時間が短くても合格点には届くと思います。
この記事を読んでいる受験生のみなさん、さあ、勉強を始めましょう。早く始めれば始めるほど、受験勉強が楽になりますよ。
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