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私たち日本人が主食として食べている米(ご飯)。このお米の大部分はデンプンから構成されています。
“デンプン”という単語を知っている人は多いと思いますが、デンプンが何からできているのかを知っている人は意外と多くないのではないかと思います。
そこで、今回は『お米を構成しているデンプン』について勉強していきたいと思います。
デンプンは多糖類
デンプンは多糖類です。多糖類というのは糖質がたくさん結合した糖類です。
多糖類にはセルロースやグリコーゲン、ペクチン等いろいろな種類が存在するのですが、米のデンプンは単糖類であるグルコースが多数結合したアミロースとアミロペクチンと呼ばれる多糖類です。
米のデンプンはアミロースとアミロペクチン
米を構成するデンプンはアミロースとアミロペクチンです。
ただ米といっても、私たちが日常的に主食として食べている『うるち米(ジャポニカ種)』と、お餅の原材料である『もち米』でデンプンの組成が異なります。
うるち米:アミロース20%、アミロペクチン80%
もち米:アミロペクチン100%
このような組成となっており、この違いがうるち米ともち米の特性にも影響しています。
アミロース
アミロースは、多数のグルコースがα-1,4結合した多糖類です。
うるち米(ジャポニカ種)のデンプンには、アミロースが約20%含まれています。アミロースはアミロペクチンと比べ、粘性や保水性が低いため、もち米と比べると結着力が弱めです。
ちなみに、ピラフやパエリヤなどにはインディカ種のうるち米(タイ米)が用いられますよね?
インディカ種はジャポニカ種より、さらにアミロースの割合が高く(25%くらい)、粘り気の少ないパラパラした性状を示します。これがインディカ種がピラフやパエリヤに適している理由なのです。
アミロペクチン
アミロペクチンは、多数のグルコースがα-1,4結合及びα-1,6結合した多糖類です。アミロースと比べ、粘性や保水性が高いという特徴があります。
お餅がご飯と比べて、粘性が高く、保水性に優れる理由は、このアミロペクチンだったのです。
お餅はもちろんですが、赤飯などももち米を利用しますよね。赤飯が普通のご飯と比べて、冷めても硬くなりにくいのは、アミロペクチンのおかげなのです。
米のデンプンの授業まとめ
以上、お米のデンプンのお話でした。
・米のデンプンはアミロースとアミロペクチンで構成
・アミロペクチンはアミロースより、粘性や保水性が高い
この2点を覚えておきましょう。
<参考文献>
・食べ物と健康 食品の加工(増補),南江堂,2015.