食塩(NaCl)に用いるmEqの意味や計算式をわかりやすく解説

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mEqとgの換算

体液や輸液など使用するmEq/Lの意味や計算式(換算式)について、わかりやすく解説していきます。

換算式そのものは知っていても、その式の意味やmEqという単位がどんなものなのかイメージできない人も多いのではないかと思いますので、そのあたりを中心に解説していきます。

どうしても化学的な内容が多くなってしまいますが、少しでも理解の手助けになれば幸いです。

ツカサ

管理栄養士国家試験でも尿中のナトリウム量から食塩摂取量を推算させる問題が出題されています。要チェックですね!

換算式:NaCl 1.0g=Na 17mEqで換算する

とりあえず細かい話は置いておいて、まずはよく使う換算式を紹介します。

尿中ナトリウム量から食塩摂取量を推算』しないといけないことがあるのですが、

その際の換算式は、

となります。

なので、例えば『24時間蓄尿中2.0L中のナトリウムが50mEq/L』だった場合、

のように計算できるわけです。簡単ですね。

ツカサ

これで終わっては知識が深まりませんので、これ以降にもうちょっと踏み込んだ話をしていきたいと思います!

食事から摂取したナトリウムは尿中に排泄される

私たちが日常的に摂取している食塩はNaCl(塩化ナトリウム)です。

そして、食事から摂取した食塩中のナトリウムのほとんどが尿中に排泄されます。

だからこそ、尿中のナトリウムを測定することで、食塩摂取量を推定することができるのです。

mEq/Lの意味は1L溶液中の電解質の数(電荷数)

さて本題です。

NaClを構成するNaもClも電解質なので、溶液中ではNa+(ナトリウムイオン)Cl-(塩素イオン)の状態で存在しています。

ということは、液体に溶けているNa+の量がわかれば、NaClの量を推算することが可能です。

ツカサ

では考えていきましょう!

NaClの分子量は58.5ですので、NaCl 1,000mgに含まれているNaClの数は、1,000÷58.5=17個となります。

そしてくどいようですが、このNaClが液体に溶けるとNa+とCl-に分かれることになります。

ゆえに、NaCl 1,000mgが液体に溶けると、液体中ではNa+が17個とCl-が17個存在することになるのですね。

このNa+が17個というのが『17mEq』であるとイメージしてみてください。

molとEq、EqとmEq

実は『1mol=1Eq』です(価数は無視してます)。

NaCl 1mol=58.5gなので、もし食塩が58.5g存在していれば1Eqに相当することになります。

ただ、体液も輸液もそんな大量にNaClが含まれてはいないので、このままの単位だとやりにくいです。

 

そこで、1,000分の1であるmgとmEq(ミリイクイバレント)で考えるわけです。

NaCl 58.5mg=1mEq

という感じに。であれば、もしNaClが1,000mg(1.0g)存在した場合のmEqは、

NaCl 1,000mg÷58.5mg=17mEq

となりますよね。

つまり、

溶液中のナトリウム17mEqは、食塩1,000mg(1.0g)に相当する

これが結論です。

 

以上のことを知っていれば(考えることができれば)、換算式の丸暗記ではなく、理解につながるのではないでしょうか。

ツカサ

難しい内容ゆえに、わかりやすさとイメージを優先しました。化学的に正しくない部分もあるかもしれません。明らかにおかしい箇所などがあればご指摘いただけると幸いです。

mEq/Lの授業まとめ

以上、mEq/Lのお話でした。

  • 食塩=溶液中のナトリウム(mEq)÷17mEq で換算可能
  • ナトリウム17mEqは、食塩1,000mg(1.0g)に相当する

この2点を理解しておいてくださいね。