呼吸商の意味や計算式をわかりやすく解説

呼吸商

エネルギー消費量の測定に利用される『呼吸商(RQ:respiratory quotient)』について解説していきます。

呼吸商に関しては、なんとなく数字だけ覚えている人も多いんじゃないかと思いますが、その理論を知っておくことで栄養素のエネルギー化の理解が深まります。

そこで今回は、呼吸商の意味や計算式、その数値についてわかりやすく解説していきます。

栄養素を燃焼(酸化)すると二酸化炭素が生成

私たちの生体内では、栄養素(糖質、脂質、たんぱく質)を燃焼(酸化分解)することで、エネルギーを作り出しています。

要は、栄養素と酸素を反応させてエネルギーを作ろうというお話です。

栄養素の燃焼

化学式っぽく書くとこんな感じですね。

この過程で、栄養素に含まれる炭素と酸素が反応して、二酸化炭素ができます。

ここで大事なのは『酸素を使って、二酸化炭素が作られる』ということです。

呼吸商(RQ)=二酸化炭素生成量÷酸素消費量

栄養素からエネルギーを作り出すと『酸素を使って、二酸化炭素が作られる』のはわかりましたね。

そして当然のことながら、栄養素ごとに含まれている炭素の数は異なるので、消費される酸素の量や生成する二酸化炭素の量も異なります。

ということは『酸素消費量や二酸化炭素生成量がわかれば、どの栄養素からエネルギーを作っているのか推定できる』ことになります。

この考え方に基づいた計算式が呼吸商です。

呼吸商は、酸素消費量と二酸化炭素生成量の体積比で示されます。

計算式は、

呼吸商

となります。

糖質の呼吸商は1.0

では実際に呼吸商を計算してみましょう。

グルコースの燃焼式は以下のようになります。

グルコースの燃焼式

6個の酸素を使った結果、6個の二酸化炭素が生成しているのがわかりますね。

これを呼吸商の計算式にあてはめると、

糖質の呼吸商

となります。

つまり、『糖質のみからエネルギーを作り出しているときの呼吸商は1.0になる』ということです。

脂質の呼吸商は約0.7

続いて、脂肪酸であるパルミチン酸の呼吸商を計算してみましょう。

パルミチン酸の燃焼式は以下のようになります。

パルミチン酸の燃焼式

23個の酸素を使った結果、16個の二酸化炭素が生成しているのがわかりますね。

これを呼吸商の計算式にあてはめると、

脂質の呼吸商

となります。

つまり、『脂質のみからエネルギーを作り出しているときの呼吸商は約0.7になる』ということです。

ツカサ

脂質は糖質に比べ、酸素消費量に対する二酸化炭素生成量が少ないことがわかりますね!

たんぱく質の呼吸商は約0.8

さて、たんぱく質の呼吸商ですが、たんぱく質の場合、糖質や脂質には含まれない窒素(N)が存在する関係で、ちょっと計算式が複雑になります。

(理論の説明が長くなりそう)なので、ちょっとここでは割愛させてください。

結論だけになりますが『たんぱく質の呼吸商は約0.8になる』と知っておいてください。

呼吸商を分析すればエネルギー消費量がわかる

呼吸商の値は理解していただけたでしょうか。

  • 糖質のみの燃焼で1.0
  • 脂質のみの燃焼で0.7

でしたね。

つまり、呼気ガス分析により呼吸商を算出することができれば、エネルギー消費に利用された栄養素の量がわかり、エネルギー消費量を推定できることになります。

呼吸商の授業まとめ

以上、呼吸商のお話でした。

ちょっと化学色が強くて難しかったですね。

  • 栄養素を燃焼すると、酸素が消費され、二酸化炭素が生成する
  • 呼吸商は、酸素消費量に対する二酸化炭素生成量の体積比
  • 糖質のみが燃焼した場合の呼吸商は1.0
  • 脂質のみが燃焼した場合の呼吸商は約0.7
  • たんぱく質のみが燃焼した場合の呼吸商は約0.8
  • 呼吸商からエネルギー消費量を間接的に推定できる

この6点を理解しておいてくださいね。

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