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水溶性ビタミンであるビタミンB2の生理作用と欠乏症について解説していきます。
ビタミンB2はエネルギー代謝における酸化還元反応に関わっています。
具体的には、クエン酸回路におけるFADH2の生成や脂肪酸の分解(β酸化)の補酵素として関与することになりますので、その仕組みをわかりやすく解説していきます。
ビタミンB2の化学名はリボフラビン、活性型はFMNとFAD
ビタミンB2の化学名はリボフラビンで、色は蛍光色の黄色です。
ツカサ
小腸から吸収されたビタミンB2は、細胞内では活性型であるフラビンアデニンモノヌクレオチド(FMN)やフラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)に変換されて存在しています。
FADはクエン酸回路でのFADH2に関与する
ビタミンB2の活性型であるFADは、クエン酸回路におけるFADH2の合成材料として利用されています。
クエン酸回路で生成されたFADH2は、NADHと共に電子伝達系でATP合成の材料として利用されることになります。
つまり、ビタミンB2はエネルギー(ATP)産生に大きく関わっているビタミンといえるんです。
クエン酸回路や電子伝達系について詳しく勉強したい場合は『クエン酸回路の場所と代謝のポイントをわかりやすく解説』、『電子伝達系の場所と代謝のポイントをわかりやすく解説』をご覧ください。
FADは脂肪酸のβ酸化にも関与している
空腹時などに脂質を分解してエネルギーに変換するためには、脂肪酸を分解(β酸化)し、アセチルCoAに変化する必要があります。
このβ酸化によりアセチルCoAを生成する過程にもFADが関与しています。
つまり、ビタミンB2は脂質の代謝にも利用されている、といえるんですね。
β酸化について詳しく勉強したい場合は『中性脂肪は空腹時に分解される』をご覧ください。
ビタミンB2の欠乏症:成長阻害、口唇炎、舌炎、皮膚炎
ビタミンB2はヒトの発育にも関わるビタミンであるため、不足すると成長が阻害されることがあります。
また、細胞の再生にも関与しているため、習慣的な摂取量が不足すると、口唇や口腔内に炎症が起こることがあります。
ビタミンB2の授業まとめ
以上、ビタミンB2のお話でした。
- ビタミンB2の活性型はチアミンピロリン酸(TPP)
- ビタミンB2はエネルギー代謝に関与する
- 欠乏すると成長阻害や炎症症状が起こる
この3点を覚えておいてくださいね。
<参考文献>
・基礎栄養学(改訂第5版),南江堂,2015.
・三訂 基礎栄養学(Nブックス),建帛社,2015.
・生化学(標準栄養学講座),金原出版株式会社,2002.