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単糖類、二糖類、三糖類~多糖類。糖質にはいろいろなグループの糖類が存在します。
今回の授業では、すべての糖類の基本となる『単糖類』とその単糖類が結合してできる『二糖類』について勉強しています。
糖質に関するお話の基本中の基本となる内容となりますので、ぜひチェックしておいてくださいね。
単糖類:糖質の最小単位
単糖類は糖質の最小単位です。
単糖類には炭素原子を5個もつ五炭糖(ペントース)と炭素原子を6個もつ六炭糖(ヘキソース)があるのですが、今回は栄養学的に重要度の高い六炭糖(ヘキソース)について紹介していきます。
グルコース(ブドウ糖)
スクロースをはじめとして、さまざまな糖類の構成成分として利用されているグルコース。日本語名でブドウ糖とも呼ばれます。糖類の話をするときには、欠かすことができません。
栄養学的に最も重要度の高い糖はこのグルコースといえます。なぜなら私たちの血液を流れているのもこのグルコースだからです。
『血糖値』という言葉を聞いたことがありますよね。
この血糖値というのは『血液中のグルコース濃度』のことなんです。ヒトが生きるうえで必要不可欠な糖なんですね。
化学的性質としては、アルデヒド基(‐CHO)をもつためアルドースに分類されます。
フルクトース(果糖)
果物に多く含まれている単糖、フルクトースです。日本語名で果糖とも呼ばれます。
フルクトース特有の性質として、『温度により甘味度が変化する』という特徴があります。
温度の低いときは甘味度が高く、温度の高いときは甘味度が低くなります。果物を冷やして食べると甘く感じるのはこれが理由なんです。
化学的性質としては、ケト基(=CO)をもつためケトースに分類されます。
ガラクトース(日本語名なし)
乳類に多く含まれている糖、ガラクトースです。日本語名はありません。(脳糖という表記もあるようですが、あまり一般的ではないと思います)
牛乳中では二糖類であるラクトースとして存在しています。
化学的性質としてはグルコースと同じく、アルデヒド基(‐CHO)をもつためアルドースに分類されます。
二糖類:単糖類が2つ結合
単糖類同士がグリコシド結合によって組み合わさった糖、それが二糖類です。二糖類にはマルトース、スクロース、ラクトースが存在します。
マルトース(麦芽糖)
マルトースは、グルコースとグルコースがα-1,4結合した二糖類です。日本語名で麦芽糖と呼ばれます。水あめの主成分です。
イソマルトース
イソマルトースは、グルコースとグルコースがα-1,6結合した二糖類です。多糖類であるアミロペクチンの消化(分解)過程で生成します。
スクロース(ショ糖)
スクロースは、グルコースとフルクトースがα-1,β-2結合した二糖類です。日本語名でショ糖(蔗糖)と呼ばれます。
スクロースやショ糖と書くとわかりにくいかもしれませんが、私たちが日常的に調味料として用いている砂糖はスクロースなんです。
スクロースは今回紹介する他の糖と違い、還元性をもたない『非還元糖』と呼ばれる糖です。
還元性をもたないという性質は、アミノ酸と反応しにくいことを意味します(アミノカルボニル反応を起こさない)。
関連記事>>還元糖と非還元糖の分類と構造や性質の違い
ラクトース(乳糖)
マルトースは、グルコースとガラクトースがβ-1,4結合した二糖類です。日本語名で乳糖と呼ばれます。牛乳に多く含まれています。
トレハロース
トレハロースは、グルコースとグルコースがα-1,1結合した二糖類です。マッシュルームなどに含まれています。
ツカサ
単糖類と二糖類の授業まとめ
以上、単糖類と二糖類の授業でした。
- 単糖類にはグルコース、フルクトース、ガラクトースがある
- 二糖類にはマルトース、イソマルトース、スクロース、ラクトース、トレハロースがある
この2点を覚えておいてくださいね。
<参考文献>
・基礎栄養学(改訂第6版),南江堂,2020.