トリアシルグリセロール(中性脂肪)は空腹時に分解される

私たちは食べると太ります。食べないとやせます。

この記事(トリアシルグリセロール(中性脂肪)は食後に蓄積・合成される)で食後に中性脂肪が合成される仕組みを解説しましたが、今回は空腹時に中性脂肪が分解される仕組みを解説していきます。

空腹時は食事を摂っていない状態なので、エネルギーが不足します。

そのエネルギー不足を解消するために、体に蓄えているトリアシルグリセロール(中性脂肪)を分解するのです。

 

空腹時、トリアシルグリセロールは分解され脂肪酸になる

中性脂肪の分解

私たちの脂肪組織に蓄えられているトリアシルグリセロールは、空腹時に分解されエネルギー源(ATPの材料)として活用されます。

このとき脂肪組織中のトリアシルグリセロールを分解する酵素をホルモン感受性リパーゼといいます。

ホルモン感受性リパーゼによって、トリアシルグリセロールはグリセロールと脂肪酸に分解され、脂肪酸のみが血液中に放出されます。

この血中に放出された脂肪酸は、単独で血液中を流れていくわけではなく、たんぱく質であるアルブミンと結合して運搬される性質があります。

補足:血中遊離脂肪酸値が上昇するのは空腹時

血液中の脂肪酸を血中遊離脂肪酸と呼びます。

よく管理栄養士国家試験などで「血中遊離脂肪酸が増えるのは食後? 空腹時?」みたいな問題が出題されています。

答えは簡単。空腹時ですよね。

空腹時に“トリアシルグリセロールはグリセロールと脂肪酸に分解され、脂肪酸のみが血液中に放出される”ということを知っていれば、何てことはない問題ですね。

脂肪酸は細胞内のミトコンドリアでβ酸化(分解)されATPとなる

脂肪酸のβ酸化

血液中に放出された脂肪酸、この脂肪酸はしばらくすると細胞に取り込まれます。

そして細胞内のミトコンドリアで、β酸化(ベータ酸化)と呼ばれる処理によってバラバラに分解されます。

脂肪酸が分解された結果、アセチルCoAが生成します。このアセチルCoAを起点としてエネルギー(ATP)合成を行うのです。

 

ちなみに空腹状態が持続し、いわゆる絶食・飢餓状態になるとケトン体が生成します。

ケトン体に関する詳しいお話は、この記事『ケトン体は空腹時(絶食時)に合成されエネルギー源として利用される』で!

補足:β酸化にはビタミンB2が関与

ちなみにβ酸化の進行にはビタミンB2が関与しています。

ゆえに、脂質代謝に必要なビタミンはビタミンB2といえるのです。

関連記事>>ビタミンB2の生理作用と欠乏症_エネルギー代謝に関わるビタミン

トリアシルグリセロールの授業まとめ

以上、空腹時のトリアシルグリセロール分解に関するお話でした。

  • トリアシルグリセロールの分解は空腹時に起こる
  • 血中遊離脂肪酸濃度が高まるのは空腹時
  • 脂肪酸はミトコンドリアでβ酸化により分解される
  • 脂質代謝にはビタミンB2が関わる

この4点を覚えておいてくださいね。

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